- 英語が全然しゃべれないけれど海外で勉強してみたい
- 語学留学やワーキングホリデーに興味がある
- 外国に行っても無駄になるかもしれないと心配している
こんな方を対象にした記事です。
英語力ゼロで留学・ワーホリは無駄? 高卒&TOEIC365点で渡航した話
そうだ! どっか英語圏の語学学校に行ってみよ~。
かつて、こんな軽いノリで英語勉強を主な目的としたワーキングホリデーを決意。アイルランドでのんびり半年ほど過ごしたことのある筆者・HALです。それも一筋縄ではいきません。
海外渡航時のスペック
- 数年ダブった上での高卒
- TOEIC365点
- フライト経験一切なし
ちなみに帰国後、TOEICは845点を取得。それ以降TOEICは受験していませんが、英語勉強をはコツコツ続け、仕事で海外の記事や有名人のインタビュー音源を翻訳したこともあります。間違いなくワーホリ経験があったからです。
ところが世の中には、私のように明確な目標や事前知識を持たず語学留学することに対し、鬼の首をとったようにこう主張する人がいます。
英語力ゼロで海外に行ったって意味ないよ!
ただ外国でぼんやり暮らしたって無駄だよ!
……なんだかとっても窮屈に感じるのは私だけ?
いや、意味はそれぞれが決めるものだし、無駄な経験なんてマジで世の中にひとつもないから!
この記事では、2013年当時を振り返りながら、いまだからこそわかる「英語力ゼロで語学留学・ワーキングホリデーは無駄なのか」について考察していきます。
Contents
ワーキングホリデーで感じたメリット

前述しましたが、当時の私がどのくらいの英語力で、どんな状況だったのか、もう一度確認しましょう。
海外渡航時のスペック
- 数年ダブった上での高卒
- TOEIC365点
- フライト経験一切なし
……声高らかに言えたことではありませんが、なかなかの低スペックだと思います。高卒・英語力ゼロ・フライト経験なしの3拍子。サブカル女子(文系ヤンキー)だった私が学業を疎かにしてきた結果ですね。すみません。

中学を卒業してから勉強という勉強は一切していなかったので、英語はしゃべれないどころか、ほぼなにも覚えていない状態。語学学校の授業で思い出しましたが、三人称もすっかり頭から抜けており、例えば「environment(環境)」という単語もわかりませんでした。
そんなんで海外へ行ったところで……という声があるのもわかります。が、事実、私はこれでアイルランドへ行き、あのとき決断してよかったなあと思っているんですよね。
その理由をいくつか簡単にご紹介します。
皆無だった英語力が向上した

もともと英語に興味はあった私。中学生のときは成績もよかったんですよね。そのあと見事に堕ちるわけですが。えへ。
とにかく、ワーホリを決めたときにはすべて忘却の彼方へ。語学学校のクラスは英語レベルによって分けられていたのですが、もちろん一番下。クラスにいたフランス🇫🇷の女の子は月や曜日も知らなかったくらいです。
ちなみに私は日本人が少ない語学学校を選んだのですが、英語力向上の観点から見ると、これは大正解でした。もちろん何人かはいましたが、ゼロもつらいので(笑)、ちょうどいい感じだったと思います。

もちろん授業はすべて英語。とはいえ一番下のクラスなので、先生も超簡単に話してくれます。たまに「え、どういう意味?」ということはありましたが、めちゃくちゃ困った覚えはないですね。
そんな感じで学校では自然とリスニングを鍛えられながら、すっかり忘れていた「三人称」や「現在完了形」など基礎文法も少しずつ思い出していきました。文法なんかは日本で独学も可能ですが、これについては後述します。
そしてもちろん、学校の授業だけでなく、生活のすべてが英語で行われるわけです。クラスメイトとの会話、カフェやレストランでの注文、スーパーでのお買いもの、公共交通機関のアナウンスやサイン、ホームステイ先でのやり取り……。

ただ生活しているだけで英語力の向上はほぼ望めませんが、勉強している上で、こういった環境にいられることは、とても強みになったと思います。なによりリスニング力はかなりアップしたように感じました。
語学学校は3か月で卒業、後半はのんびり遊び、アイルランドには計半年ほど滞在。帰国直後のTOEICは565点と、ふり幅としてはそれほど大きなものではありません。
が、本当に大事なのはここからです。
英語の勉強を始めるきっかけになった

もともとは渡航前に自主勉強もしようとしていました。とはいえ「英語の「え」の字もわからない」ゆえ、一体なにから手をつけていいのか、皆目見当もつかなかったんですよね。
いまとなっては「黙って中一の教科書を読め!」とでも言えますが、そういう発想に至らないくらいの無知。さらに何年も勉強をしていなかった私、まさに極度の勉強アレルギーだったわけです。机に向かって教科書や参考書なんか読んでいられません。
自分で英語勉強なんかできねーーー!
というわけで、一切の勉強を諦め、もう半ばヤケクソでアイルランドへGO、ダブリンの語学学校に通い始めたという経緯がありました。

英語に限らず、なにか新しいことを始めるとき、一番大変なのはスタートダッシュです。「0」から「1」の壁。電化製品も「電源をつけてから動き出すまで」に一番電力を食うらしいですしね。
ただ海外へ行って環境を変え、さらに語学学校に通うことによって、この「初動」をかなり楽にすることができました。一度勢いがついてしまえば、あとは初めほど大変ではありません。
いや、海外に行くのにもめちゃくちゃパワーいるじゃん。
このような意見もあるかもしれません。でも私はこうでした。
「ひとりで行く」方が「ひとりで学ぶ」よりハードルが低い!
これは人によると思いますけどね。ただ私の場合はえいっと海外へ行っちゃう方が楽でした。そしてアイルランドへ行っていなければ、そもそも英語の勉強など始めていなかったわけです。間違いなく。
ワーホリ後、平均レベルの英語力を手にし、勉強への拒否反応も示さなくなった私。コツコツと自主勉強を進め、約340時間の勉強でTOEICの点数は845点まで伸びました。
とりあえずTOEICはここでストップ。その後は、ほとんど英語勉強をしていない期間もありますが、完全に英語から離れたことはありません。洋書などは読み続け、仕事で海外の記事や有名人のインタビュー音源を翻訳したこともあります。
さらにオンライン英会話を始め、このブログも開設するなど、いまではすっかり生活の一部になっているくらい。
アイルランド滞在だけで「英語力が爆上がりした」とは思いません。ただ「英語力が爆上がりした(と言ってもいいくらいになった)」のは、間違いなくアイルランド滞在があったからなんですよね。充分価値のあることだと思います。
外国人とのコミュニケーションに慣れた


アイルランドへ行く前は、ほとんど外国人と話したことがなかった私。そもそも英語が話せなかったわけですが、日本語を話せる外国人との繋がりもほとんどありませんでした。
これは胸を張って言えますが、どの国の方にも差別的な思いを抱いたことは一度もないです。海外カルチャーも大好き。ただやっぱり外国人と話すことに対する恐怖心……ではないですが、不安感というものがずっとありました。
積極的にガンガンきそう……。なんかこわい……。
何度も言ってきたように、英語力が皆無だったことも原因のひとつ。あとはやっぱり「経験がなかったから」ですね。知らないことってこわいじゃないですか。いきなり外国人に話しかけられたらビビる人が多いのも、ここ日本では当たり前のことだと思います。
人種によって顔のつくりが違うのも事実で、アジア人とは違う大きな目を間近にのぞき込んだとき、その迫力に気圧されたり。でも毎日顔を合わせて、拙いながらも言葉を交わしていれば慣れます。そして気づきます。
どこの国の人もそんなに変わんないな。
もちろん国民性はありますが、仲良くできるもできないも「その人が個人としてどんな人か」が重要なんですよね。結局のところ。
美しいヨーロッパの景色を目にできた


私はアイルランドに滞在し、フランスのパリ、オランダのアムステルダム、ベルギーのブリュッセルへ行きましたが、どの土地も本当にきれいでした。
海外旅行をする人に、その意味を問うことはないと思います。ただ美しい景色を見たい。ただ外国の空気を感じたい。ただ楽しい時間を過ごしたい。それだって立派な「海外へ行く理由」です。
ワーホリや語学留学の利点もひとつ、ここにあると思うんですよね。というわけで、いくつか写真を貼っておきます。
















このような場に行けただけでよかった。
ちなみに写真はTwitter(@HALOVEVERYONE)にて投稿していますので、気になった方はたぜひ。
嫌いだった日本のいいところが見えた


さて、前述した「ダブりありの高卒」という遍歴からも察していただけるように、私はいわゆる社会不適合者的な……学校は大嫌いで、ルールに厳しい日本社会も大嫌いな……そういうタイプの人間です。
それこそ昔は日本という国が大嫌いでした。でもアイルランドで生活し、ほかのヨーロッパの国も巡っているうちに、日本のよさにも気づいたんですよね。
例えばそれは治安面だったり、利便性だったり、清潔感だったり。外国の悪いところが見えて初めて、日本の素晴らしいところにも気づくことができたんです。愚かだと言われてしまえばそれまでですが。
外国だろうが、日本だろうが、いいところはいいし、悪いところは悪い。こういったニュートラルな視線を得られたのは大きかったです。
自分自身を見つめ直すことができた


別に「自分探し」のような感覚ではありませんでしたが、やっぱり環境がガラリと変わることにより、自然と自分の思想や感情を整理することが多かったです。
この期間で考えたことを書くとなると、それこそ数万字、あるいはもっと必要になってくるので割愛しますが、いろいろなことを考えて、さまざまなことを感じました。英語力ゼロで海外へ行ったからこその財産です。
もちろん劇的な変化があったわけではありませんが、この経験はいまの自分を形作っているとも思います。あのとき行かなかったら、少なからず「違う自分」になっていたでしょう。
なにを重視するかで変わる「留学の意味」


ここまでに紹介したメリットから、英語力ゼロでワーホリしてよかったなあ、と私は思っています。決して無駄なんかではありませんでした。
私にとってはね!
もしかしたら無駄だと思われるかもしれません。結局は価値観で決まるんですよ。物事の意味なんて。
少なくとも人に押しつけるものではありません。自分で判断することが大事。ここでは2つの観点から「英語力ゼロで語学留学・ワーホリする意味」を探りましょう。
どのくらい英語力を上げたいのか


なぜよく「英語力ゼロでの語学留学・ワーホリは無駄」という声が出るのかといえば、まったく英語が理解できない状態では、せっかくの「外国」という環境を最大限に利用できないから。
確かにもったいなさはあります。できれば日本である程度の英語力をつけてから言った方がいい、というのは真理です。
私も正直、事前に勉強していればもっと学べることは多かったと思います。当時は「とりあえずしゃべりまくる」レベルになかったので、実践的な練習はあまりできませんでした。いまの知識を携えて英語圏で暮らせば、スピーキング力は飛躍的に伸びるはず。


つまり「海外へ行って英語ぺらぺらになる」という目標を達成するためには、ある程度の英語力を身につけてから語学留学するべきだと思います。
ただ私のように「英語の勉強を始めるきっかけが欲しい」とか「英語力をちょっとでも伸ばしたい」とかいうことであれば、英語力なんか関係ありません。ふらっと行ったって、まったく無駄なことはないわけです。
どんな経験を求めるのか


私は半年滞在のうち、後半3か月間は、ほぼなにもせずに過ごしました。シェアハウスでのんびりして、海までお散歩して、音楽フェスに行って、たまに国内旅行やヨーロッパ旅行をして。そんな感じ。
キャリア志向の強い人などは、これを「とてつもなく無駄」と感じるでしょう。でも私はそう思いません。
確かに「なにか実益があったのか」と問われたら、なかったかもしれません。ただ精神的には得たものが大きかったです。文系アウトサイダーだからこその考え方かもしれませんが、これを他人に「無駄」と定義される筋合いもないわけです。
まとめ:心の声に耳を傾けよう


自分がなにを求めるのか。自分がなにをしたいのか。自分がなにに価値を見出すのか。結局はそれに尽きます。
何度も言いますが、なにが「無駄」で「無駄じゃない」かなんて人によるわけです。自分で考えるしかありません。なのでアドバイスを求めるにしても「自分の考え方に似ている人」を参考にするのがおすすめです。
うん。なんだかんだぐちゃぐちゃ書いたけど、やりたいならやればいいじゃん!
マジでそう。どうせ人はいつか死にますから。数年ダブった上での高卒、こんな派手髪女もなんとか生きています。好きにやればいいと思うんです。なんでもさ。
この記事が少しでもあなたの背中を押すきっかけになれば幸いです。