アカデミック&ビジネス英語を学べる、外国人向けの日本語教材【レビュー】 | HALENG(ハレング)
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アカデミック&ビジネス英語を学べる、外国人向けの日本語教材【レビュー】

  • 討論や論文発表の機会がある大学生や大学院生
  • 国際社会で活躍するビジネスマンなどの社会人
  • 頭がいい(と思われたい)人

こんな方を対象にした記事です。

記事のテーマ

アカデミック&ビジネス英語を学べる、外国人向けの日本語教材【レビュー】

どんどんグローバル化が進む世界。アカデミック英語やビジネス英語など、小難しい英単語や表現が必要な人も増えてきているのではないでしょうか。ただそういった専門的な英語は調べるのがなかなか大変。

そこで今回レビューするのは、アメリカ人の著者による教材『How to Sound Intelligent in Japanese』。英語初心者から上級者まで、誰もが楽しくインテリ英語を学べる優れものです。

How to Sound Intelligent in Japanese

一体どんな本なのか、その特徴をメリット&デメリットと共に見ていきましょう。

How to Sound Intelligent in Japanese

タイトルは「日本語でインテリジェンスを気取る方法」。教養が前面に押し出されている内容です。

日本語を学習している英語ネイティブおよび英語話者のために書かれた本なので、英語と日本語で書かれています。

Charles De Wolf著 ▼「なか見!検索」あり

基本情報

  • ペーパーバック:160ページ
  • 出版社:Kodansha International; Bilingual, Reprint版 (2012/8/3)
  • 言語:英語
  • 発売日:2012/8/3
  • 商品パッケージの寸法:12.9 x 1.2 x 18.2 cm

全体は7つのチャプターに分かれており、ジャンルごとに単語と例文が記載されています。その間の雑記には、英語圏と日本の文化の違い、漢字の意味など豆知識もあり、楽しく読み進めることができるのもポイントです。

7つのチャプター

  1. Ideas and Theories(思想と理念)
  2. Philosophy and Religion(哲学と宗教)
  3. Politics and Government(政治と政府)
  4. The Fine Arts, Humanities, and Social Sciences(芸術と人文学と社会科学)
  5. Science and Technology(科学とテクノロジー)
  6. Law and Justice(法律と裁判)
  7. Business and Economics(ビジネスと経済)

日常会話でも使うことのある言葉から、ほぼ聞いたことのない言葉まで、どちらにせよ頭がよさそうな雰囲気の漂うボキャブラリーがいっぱい。

仮にこれを一冊まるごと覚えれば、一般的な範囲で繰り広げられる政治や物理などの会話にもついていけます。

初心者にも上級者にもおすすめする理由

ネイティブの自然な英語を学べる

たなびくアメリカ国旗

日本人が書く英語には、微妙なニュアンスの違いや文法のミスが出てきがち。特に難しい内容になると間違いも多くなります。正式に出版されている教材でもたまにありますね。

その点、 英語ネイティブが書いている本書は誤用などの心配はなし。何と言っても、著者のチャールズ・デ・ウルフは、言語学博士 、文学翻訳者、そして慶應義塾大学の名誉教授でもあるそう。肩書が強い。

ネイティブが書いたという信頼性においては、以前紹介したイギリスの学生向けに書かれた歴史の教科書『GCSE Modern World History』と同じ。こちらは英語で世界史を学べる優れものですが、読みものとして面白く、一般英語もカバーできます。

文化や日本語の勉強にもなる

ユーモア溢れるサボテンのルージュ

チャプターII「Philosophy and Relision」の一部を見てみましょう。

意訳すると「文化の違いについて書いておくと、日本人は欧米人ほど皮肉を好まない。つまり自分で『上手いこと言ったな』と思っているつもりでも、日本人の目には意地悪でひねくれた人に映ることがある」ということ。

On a cross-cultural note, it might be mentioned that the Japanese in general seem less inclined than Westerners to appreciate sarcasm, so that while you may think you are being wittly ironic, the Japanese may judge you as merely 意地悪 ijiwaru "mean and perverse."

『How to Sound Intelligent in Japanese』P31

多くの日本人は、欧米人がブラックユーモアなどのジョークを好むことは知っていると思いますが、実際のアメリカ人がこのように言っていることで確信が持てます。

仮に「意地悪でひねくれた」欧米人に会ったとしても、単なる文化の違いだと思えば気も楽になりますね。

また、日本語についても興味深い記述がたくさん。チャプターIII「The Fine Arts, Humanities, and Social Sciences(芸術と人文学と社会科学)」序文の一部を見てみましょう。

ここには「“学”が勉学や知識について使われる一方、“術”は理論よりも実践的なものを指す」とあります。なるほど。

Jutsu, like techne, refers more to practice than to theory, in contrast to 学 gaku "study, knowledge, (branch of) leaning." 美術 bijutsu, for example, refers to the beaux-arts, 美学 bigaku to aesthetics, i.e., "the study of the beautiful."

『How to Sound Intelligent in Japanese』P53

すべての単語と例文が日本語付き

日本語の五十音表

英語を身につけるには洋書を読むのが一番。とはいえ勉強を始めたばかりのころはそんなの無理! 私なんかは数ページ読むだけでヘトヘトになっていました。

でも英語ネイティブが書いた日本語教材を使えば、誰でも簡単に正しい英語に触れることができます。そして本書に関しては 日本語も完璧。小難しい例文ばかりなのに危うさはゼロです。

……いや、應義塾大学の名誉教授が書いたともなれば当たり前なんですけど……。

とにかく、単語のレベルは高いですが、日本語のおかげで難なく読むことができます。

収納や持ち運びに便利なコンパクトさ

書籍とCDのサイズ比較
書籍(右)とCDのサイズ比較

寸法は「12.9 x 1.2 x 18.2 cm」。だいたい新書くらいの大きさ。カバーもソフトカバーなので、例えば電車に乗っているときに片手で持ちながら読むことも可能です 。

アカデミック英語の例

CHAPTER II Philosophy and Religion(哲学と宗教)

卒業式で帽子を投げる学生たち

このチャプターは以下4つの項目にわかれています。

哲学と宗教の項目

  • Principle, Ism(主義)
  • Worship and Teachings(教)
  • Factions and Sects(派)
  • Traditional Japanese Philosophical and Religious Terminology(日本の伝統的宗教・哲学用語)

これらの項目で紹介されている単語はこんな感じ。ごくごく一部です。

主義

  • 観念主義:idealism
  • 実存主義:existentialism
  • 快楽主義:hedoism

  • ユダヤ教:Judaism
  • 道教:Taoism
  • 儒教:Confucianism

  • 印象派:Impressionism
  • シーア派:Shiism (shiites)
  • 改革派:reformists

日本の伝統的宗教・哲学用語

  • 立往生:stalling, last stand
  • 仏事:Buddhist memorial service
  • 成仏:Nirvana, Buddhahood

比較的わかりやすいワードをチョイスしました。こういった単語に、英語と日本語の例文が掲載されています。

ビジネス英語の例

カバンを持って歩くビジネスマン

CHAPTER VII Business and Economics(ビジネスと経済)

このチャプターに項目はありませんが、150個以上あるさまざまなビジネス用語と経済用語が、関連語ごとにそれぞれのブロックで紹介されています。

  • 財力:financial resources
  • 有産階級:bourgeosie, propertied classes
  • 畜産:animal husbandry
  • 酒造業:brewing/distilling industry
  • 商務:commercial affairs
  • 卸商:wholesaler
  • 輸出奨励金:export subsidy
  • 輸入割当制:import quota system
  • 金策:raising money
  • 金融緩和:easy money
  • 源泉所得税:taxation at the source, withholding taxes
  • 振込み:bank transfer

こう見てみると、英語の方は意外とシンプル。ただ知らないと出てこないんですよね。

全体的なデメリット

カラーページがまったくない

これはちょっとネック。すべて白黒で、それぞれの例文の間が詰まっているので読みにくいです。私は自分でアンダーラインをつけるなど、色分けしながら読み進めました。

Amazonには「なか見!検索」があるので参考にしてみてください。本文の部分は見られませんが、なんとなく雰囲気は伝わるかと。下の画像クリックでAmazonページに飛びます。

CDやMP3などの音声がない

残念ながら、日本語も英語も音声はありません。発音の確認は自分で行う必要があります。

新品を売っている販売店が少ない

少なくとも新品を販売している日本のネットショッピングサイトはAmazonだけ。在庫切れも起こり得ますね。

Charles De Wolf著 ▼「なか見!検索」あり

このような商品形態や流通に関するデメリットは存在しますが、書籍自体は素晴らしいです。

だからこそページレイアウトなんかはもったいないですね。 これを改善すれば 、現在95パーセントの満足度が100パーセントになるのになあと思います。


いかがでしたでしょうか。ぜひ『How to Sound Intelligent in Japanese: A Vocabulary Builder』を使って、英語と日本語を学んでみてください。