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英和&英英辞書で「単語の意味が真逆」の場合も……どう使い分ける?

  • なんとなくいつも英和辞書を使っている
  • 英和辞書と英英辞書の使い分け方を知りたい
  • 英語で英語を学ぶべき理由がわからない

こんな方を対象にした記事です。

記事のテーマ

英和&英英辞書で「単語の意味が真逆」の場合も……どう使い分ける?

英和辞書と英英辞書、あなたはどちらを使いますか?

どちらを使えばいいのかわからない……と悩んでいるかもしれません。が、大事なのは「状況に合わせてどちらも使う」こと。双方の特色を理解し、どちらも最大限に利用していきましょう。

この記事では、英和辞書と英英辞書の使い分け方と、それぞれで調べた単語の意味やニュアンスの違いを比較してみました。調べ学習の参考にしてみてください。

英和辞書&英英辞書の使い分け方

足元に書かれた別方向を指す矢印

英語を学習している人であれば「英英辞書を使え」という声を耳にしたことがあるかもしれません。

これは本当にその通りで、ある程度のレベルを超えるためには、英語を英語で学ぶことが必要になってきます。英語だけに限らず、言語にはその言語で学んでこそ理解できるニュアンスなどがあるからです。

ただ、一概に「誰もが常に英英辞書を使うべき」とも言い切れないんですよね。自身の英語レベルや調べる単語によっては、英和辞書の方が使い勝手がいいこともあるわけです。

英和辞書VS英英辞書

  • 英和辞書:初心者、固有名詞やモノの名前を調べるとき
  • 英英辞書:中上級者、固有名詞やモノの名前以外の単語を調べるとき

実際に調べた単語の意味を見比べながら、上記を検証していきましょう。

英和辞書:英語を一から始めたばかりの初心者

恐竜の積み木と本

英語の勉強を一から始めたばかりの初心者の方は、迷わず英和辞書をつかってください。基本単語に関しては、英英辞書でも英和辞書でもそんなに変わりはありません。

そもそも最初のうちは英文を読むだけで疲れちゃいますし、ちゃんと理解できるかも怪しいので、ばんばん日本語で基礎を固めていきましょう。慣れてきたら英語で英語を学ぶことに挑戦してみてください。

英和辞書:固有名詞やモノの名前を調べる

ヴェルサイユ宮殿の石像

日本語でも英語でも、固有名詞やモノの名前にニュアンスの違いはありません。これを英語で調べるとクイズのような状況になってしまいます。

試しに「Versailles」を調べてみましょう。

英英辞書

a beautiful palace with gardens outside the city of Versailles near Paris, France. It was built for King Louis XIV and is now owned by the French state. Several peace agreements were signed there, including the one which formally ended World War I.

Longman「Versailles」

パリの近くにある庭付きの美しい宮殿、ということがわかりました。あとは歴史上の出来事が記載されています。地理や歴史に詳しい方ならわかるかもしれませんが、私のような歴史にうとい人間には「?」です。

では英和辞書を確認してみましょう。

英和辞書

ベルサイユ

Weblio「Versailles」

超シンプル(笑)。なるほどベルサイユね!

もちろん、日本にしか存在しないもの、英語圏にしか存在しないものもあるので、モノの名前だからといってすべての辞書で一致するわけではありません。ただ、そのモノを知らない場合は、辞書ではなくグーグルやウィキペディアを使って調べた方がいいですね。

英英辞書:正しい英語を習得したい中上級者

草木を触る女性の腕

言葉とは難しいもので、必ずしも対応する語がその言語にあるとは限りません。もちろん、前述した固有名詞や、どこにでもあるモノの名前、さらに「walk(歩く)」や「dance(踊る)」といった基本動詞など、一言でズバッと言いきれるものもあります。

とはいえ、英語を勉強し始めてわりとすぐ知るところだと「watch」と「look」も「見る」だけでは不十分なわけです。ちなみに「watch」は「動いているものを見る」、「look」は「止まっているものを見る」といったところ。

このレベルであれば、英和辞書でも正しく説明されているはずですが、少し難しい英単語や表現になってくると、日本語の説明ではどうしても感覚にズレが出てきます。

ときにはこの「ズレ」が致命傷になることも……。実際にどんな違いがあるのか、5つの単語の例を見てみましょう。

英和辞書&英英辞書で調べた単語を比較

並べられたニンジンとトウモロコシとズッキーニ

英英辞書は「Longman(ロングマン)」と「Cambridge Dictionary(ケンブリッジ・ディクショナリー)」、英和辞書は「Weblio」と「アルク」を使用しました。

condescend

壁に掲げられている矢印の看板

英和辞書

へりくだる、謙遜(けんそん)する、いばらないでする、へりくだってする、身を落としてする、(優越感を意識しながら)(…に)わざと親切にする、恩に着せる、わざと親切ぶってする

Weblio

1 見下すような態度を取る、恩着せがましくする
2 謙虚な行動を取る

アルク

Weblioは意味が多すぎて混乱しちゃいますね。なんとなく呑み込めますが。

アルクはWeblioと同じ内容ながらシンプルにまとめられています。とはいえ「見下すような態度を取る」と「謙虚な行動を取る」は、ネガティブな意味とポジティブな意味で相反しています。

では英英辞書を確認してみましょう。

英英辞書

1 to behave as if you think you are better, more intelligent, or more important than other people – used to show disapproval

2 to do something in a way that shows you think it is below your social or professional position – used to show disapproval

Longman

to treat someone as if you are more important or more intelligent than them

Cambridge Dictioary「condescend to sb」

If you condescend to do something, you agree to do something that you do not consider to be good enough for your social position

Cambridge Dictionary「condescend」

ロングマンでもケンブリッジでも「ほかの人より優れているように振る舞う」「自分の立場にふさわしくないと匂わせながらなにかをやる」と説明されています。ネガティブな意味ですね。

これを踏まえたうえでケンブリッジの例文を見てみましょう。

He explains things without condescending to his audience.
彼は聴衆の目線に立って物事を説明する。

Cambridge Dictioary「condescend to sb」

意訳するとこんな感じでしょうか。とりあえず「without condescending」で「上から目線ではなく」ということになります。

ところが英和辞書にある「謙遜する」という意味で覚えていると、意味合い的に真逆になっていまいますね。これは致命的です。

ポイント

  • 英和辞書では「見下す(ネガティブ)」「謙遜する(ポジティブ)」
  • 英英辞書では「見下す(ネガティブ)」

cringe

両手で顔を覆う少女

英和辞書

1 (恐怖・卑屈さで)すくむ,畏縮する; 〔…に〕縮みあがる 〔at〕.
2 ぺこぺこする; へつらう; 〔高い地位の人に〕へいへいする,ぺこぺこする 〔to,before〕.

Weblio

1 〔恐怖などで〕縮みあがる、すくむ、ドン引きする
2 へつらう、こびる

アルク

Weblioもアルクも一緒ですね。「恐怖から縮み上がる」と「こびへつらう」という定義です。

では英英辞書を確認してみましょう。

英英辞書

1 to move away from someone or something because you are afraid
2 to feel embarrassed by something you have said or done because you think it makes you seem silly

Longman

to suddenly move away from someone or something because you are frightened

to feel very embarrassed

Cambridge Dictionary

ロングマンもケンブリッジも最初の項目は英和辞書と同じ「恐怖から縮み上がる」。

違いが見られるのは次の「恥ずかしさで縮こまる」というところです。英和辞書には一切記述がありませんが、これは実際によく使われる意味でもあります。

これを踏まえたうえでケンブリッジの例文を見てみましょう。

I cringed at the sight of my dad dancing.

Cambridge Dictionary

「恐怖から縮み上がる」としか理解していないと、この文章も「お父さんが踊ると怖い」というホラーみたいな状況になり、よくわかんなくなっちゃいますね。

ポイント

  • 英和辞書では「恐怖から縮み上がる」
  • 英英辞書では「恐怖から縮み上がる」「恥ずかしさで縮こまる」

unfinished business

ピースがひとつ足りないパズル

英和辞書

未完成のままになっている仕事
(work that is left incomplete)

Weblio

未完の[やり残した]仕事、審議未了事項

have unfinished business
〔主語には〕やり残したこと[決着のついていない問題]がある

アルク

どちらにも文字通りの意味「未完の仕事」という意味が掲載されています。

また、アルクの方の例文を確認すると、どうやら「仕事」のみならず、やり残した「問題」や「事柄」を指すこともあるらしい。

では英英辞書を確認してみましょう。

英英辞書

something you need to discuss further with someone or a situation that has not yet reached a satisfactory solution

Longman

a matter, especially a disagreement, that is not yet decided or agreed

Cambridge Dictionary

ロングマンにもケンブリッジにも「仕事」という記載は見られません。ロングマンは「something(なにか)」、ケンブリッジは「matter(問題)」と説明されています。

つまり「解決されていない」あるいは「決定していない」事柄であれば、なんでもいいわけですね。仕事かもしれないですし、個人的な問題かもしれません。

和英辞書のアルクの例文からはこのニュアンスが読み取れますが、Weblioと共に説明にはっきり「仕事」と書かれているので、ちょっとまぎらわしいです。

ポイント

  • 英和辞書では「仕事」
  • 英英辞書では「仕事を含むすべての問題」

pandemonium

煙の中で暴れる人々

英和辞書

大混乱、大混乱の場所、伏魔殿、地獄

Weblio

悪魔の巣窟、大混乱(の場所)、地獄

アルク

Weblioもアルクも意味は一緒ですね。特に疑問もありません。

では英英辞書を確認してみましょう。

英英辞書

a situation in which there is a lot of noise because people are angry, confused or frightened

Longman

a situation in which there is a lot of noise and confusion because people are excited, angry, or frightened

Cambridge Dictionary

ロングマンにもケンブリッジにも「どんなシチュエーションなのか」という説明があります。

曰く「憤怒や恐怖で騒ぐ人々によって騒がしい状況」。和英辞書では掴みきれなかった詳細なイメージが浮かびます。

ポイント

  • 英和辞書では「大混乱」
  • 英英辞書では「憤怒や恐怖を感じている人々のせいで騒がしい状況」

mayhem

英和辞書

大混乱、大騒ぎ、身体傷害(罪)

Weblio

1 暴力
2 《法律》身体傷害

アルク

こちらも至ってシンプルですが、Weblioとアルクには違いが。前者には「mayhem」と同じ「大混乱」という記述がありますが、アルクにはありません。

では英英辞書を確認してみましょう。

英英辞書

an extremely confused situation in which people are very frightened or excited

Longman

a situation in which there is little or no order or control

Cambridge Dictionary

前項で紹介した「pandemonium」と同じく、ロングマンとケンブリッジには「どんな大混乱なのか」という説明があります。「pandemonium」と違って「興奮」があるのがポイントです。

ポイント

  • 英和辞書では「暴力」「大混乱」「身体障害(罪)」
  • 英英辞書では「恐怖や興奮を感じている人々のせいで混乱している状況」「コントロールが効かない状況」

Weblioとアルクには「身体障害(罪)」についての記述がありますが、ロングマンとケンブリッジにはありません。ほかのいくつかの英英辞書には書かれていましたが、法律用語なので辞書によっては省かれるみたいです。


英和辞書VS英英辞書

  • 英和辞書:初心者、固有名詞やモノの名前を調べるとき
  • 英英辞書:中上級者、固有名詞やモノの名前以外の単語を調べるとき

いかがでしたでしょうか。英和辞書と英英辞書を上手く使い分けて、楽しく、正しく、ボキャブラリーを増やしていきましょう。