- 村上春樹作品で英語を勉強したい
- どの小説から読み始めたらいいのかわからない
- 難易度の低い本から洋書多読を始めたい
こんな方を対象にした記事です。
村上春樹の英語版、どれから読む? 全小説を読了時間&ジャンル別に紹介
世界的作家の村上春樹。彼の執筆した小説はすべて英語に翻訳されており、いままで外国人に「村上春樹が好き」と言って伝わらなかったことの方が少ないです。
筆者・HAL(Twitter@HALOVEVERYONE)も中学生のころから村上春樹が大好き。この記事では、全小説を原文&英訳の両方で読んだ自分の経験も活かし、英語学習にぴったりの村上春樹作品についてまとめました。
村上春樹での洋書多読は全員におすすめ
洋書多読初心者の方にもおすすめできる村上春樹作品。まずはその理由をご覧ください。
日本人が書いた日本人の日本での物語

世界的な人気と知名度を誇る村上春樹ですが、彼の書く作品の主人公は全員日本人で、登場人物もほとんどが日本人。
主人公が海外へ行ったり、不思議な世界に存在することはあるものの、物語の舞台は日本であることがほとんど。聞き覚えのある地名や駅名も多く登場します。
つまり登場人物の名前は覚えやすいし、地理的なイメージも簡単にできるし、文化的背景にも疑問に思うところはありません。英語だけに集中して物語を楽しむことができるんですね。
ちなみにWIREDのインタビュー記事にはこんな質疑応答がありました。
──ご自身の作品に関して、日本文学の伝統に通じるものか、あるいは欧米文学か、どちらだと思われますか。
村上春樹、井戸の底の世界を語る:The Underground Worlds of Haruki Murakami
そういう考え方はしない。僕の小説は、僕個人のものです。どんなカテゴリーにも属していない。僕が書くのは日本語だし、小説に登場する人間もほとんどが日本人です。そう考えると、僕は日本人作家です。でも、自分の作品はどこにも属さないと思います。
本人がおっしゃっている通り、あくまで日本でありながら、無国籍感が漂う作品であるのも、世界で認められたゆえんでしょう。英語に翻訳されても自然で、なおかつ私たちにはよりとっつきやすい。最強です。
難易度が高くないシンプルな文章

複雑なことを簡単に伝える、ということを常に心がけている村上春樹。特徴のある文体ながら、本当に読みやすいですよね。
英語でもこの読みやすさは健在。原文のおかげか、翻訳が素晴らしいのかはさておき、複雑な文法もほとんど見られず、いわゆる純文学ながら単語の難易度も高くありません。
小説で洋書多読を始めようと考えている英語レベルの方であれば、ちょうどいい負荷で読めるくらい。どの作品も難易度的には同じくらいですね。
下記は再びWIREDのインタビュー記事より。
──ご自身の文体は、翻訳されても表れていると思われますか。
村上春樹、井戸の底の世界を語る:The Underground Worlds of Haruki Murakami
それはあります。なぜそうなるかはわかりませんが、自分の作品を英訳で読むと、そう、これは僕の文章だと思います。リズムや文体がそのまま、ほぼそのままなのです。
英訳されている作品数の多さ

2015年、彼自身が長らく英語版の海外販売を認めてこなかった『風の歌を聴け』と『1973年のピンボール』が発売されたことにより、すべての中編・長編小説の英語版が正式に出揃うこととなりました。その数、全14作品。
それに加え、短編集や短編絵本までラインナップされています。これらを読めばかなりの力がつきますし、制覇を目指せば次に誰のどの小説を読むか考える時間も節約できます。
村上春樹が苦手でも読めるクセのなさ

「ハルキスト」と呼ばれるマニアがいる反面、村上春樹の書く文章が苦手な人も多いですよね。「独特な比喩が嫌い」とか「登場人物の言葉遣いが鼻につく」とかで。これに限っては個人の好みによるところ。
ただ英訳に関しては、よくも悪くもクセがだいぶ抜けます。比喩なんかはそのままですが、英語で書かれているとすんなり受け入れられることがあるんですよね。
例えばアメリカンジョークなんかもそう。和訳すると変ですが、英語で聞けば「そういうもの」として受け入れられるというか。台詞に関してはぜんぜん気にならないはず。

日本語だと「なんだこの口調」とか「こんなこと言わねえだろ」と思う人もいるそうですが、英会話の微妙なニュアンスが気になりすぎてイライラする、という人はほぼいないですよね。いるとすればかなりの上級者です。
というわけで、村上春樹の文章が苦手で、日本語では彼の小説が読めなかった人にも英語版はおすすめです。ただストーリーが苦手な人は日本語でも英語でもダメですね(笑)。
オーディオブックでリスニング

「Audible」には、この記事で紹介している全作品のオーディオブックがあるので、リスニング練習にも最適です。文章を目で追いながら聞くもよし、スキマ学習に利用するもよし。
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英語版の読了時間ランキング

洋書多読に挑戦したいとはいえ、英文に慣れないうちから長い小説に挑戦すると、途中で嫌になってしまう可能性も……。
というわけで、どのくらいの時間で読み切れるのか、読了時間の目安がわかるウェブサイト「Reading Length」を使って調べてみました。 日本人の大学生が英文を読むスピードの平均値「100WPM」で計算しています。
日本人大学生の平均読解速度から算出
なお、作品名クリックで後述の作品詳細へ移動します。
読了時間ランキング(100WPM)
- 【1時間30分】ふしぎな図書館(短編絵本)
- 【6時間17分】神の子どもたちはみな踊る(短編集)
- 【8時間19分】アフターダーク
- 【9時間30分】国境の南、太陽の西
- 【10時間18分】スプートニクの恋人
- 【11時間1分】女のいない男たち(短編集)
- 【11時間20分】風の歌を聴け/1973年のピンボール(2作品収録)
- 【13時間57分】羊をめぐる冒険
- 【14時間43分】色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年
- 【15時間15分】象の消滅(短編集)
- 【18時間12分】ダンス・ダンス・ダンス
- 【18時間21分】めくらやなぎと眠る女(短編集)
- 【19時間35分】ノルウェイの森
- 【20時間51分】世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド
- 【27時間45分】海辺のカフカ
- 【37時間58分】ねじまき鳥クロニクル
- 【41時間15分】騎士団長殺し
- 【67時間47分】1Q84
ジャンル別のおすすめ作品
小説の長さよりも内容で読む本を決めたい、という方のためにはこちら。ジャンル別の個人的おすすめ作品です。
なお、作品名クリックで後述の作品詳細へ移動します。
ラブストーリーが好きなら……
- ノルウェイの森
- 国境の南、太陽の西
- スプートニクの恋人
言わずと知れた『ノルウェイの森』には、村上自身による「100パーセントの恋愛小説」というキャッチコピーがついていました。痛く悲しい物語ではあります。
『国境の南、太陽の西』と『スプートニクの恋人』は、村上春樹作品の中では知名度が少し低いですが、個人的には好きな作品。大人の方には前者がおすすめです。
ファンタジーが好きなら……
『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』と『海辺のカフカ』は、偶数章と奇数章で主人公の入れ替わる、いわゆるパラレル進行の物語。そもそも村上春樹は現実と非現実が交差するストーリーが多いですが、この二作はファンタジー要素が強いです。
『ねじまき鳥クロニクル』は大作なので、すべての要素が組み込まれていると言っても過言ではないですが、村上春樹作品の中でも世界観が強い小説です。血なまぐさくてグロい側面もあるので、ちょっと人を選ぶかもしれません。
リアリズムが好きなら……
どの作品にも少なからずファンタジックな要素がありますが、 『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』 と『ノルウェイの森』は「ほぼ100パーセントのリアリズム小説」です。
『風の歌を聴け』と『1973年のピンボール 』は「鼠三部作」とか「青春三部作」と呼ばれる最初の二作。村上春樹自身はあまり納得がいっていない作品のようですが、この二作が一番好きという人も多いです。
なお、三部作のラストは『羊をめぐる冒険』ですが、その後の『ダンス・ダンス・ダンス』を含めて四部作という見方もできます。
ミステリーが好きなら……
「鼠三部作」のラスト『羊をめぐる冒険』は、タイトル通り羊を探しに行く物語。その後を描いた『ダンス・ダンス・ダンス』は失ったものを取り戻しに行く物語です。
『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』は、かつての友人たちを訪ね、なぜ自分が絶縁されたのか、その理由を探る物語になっています。
サスペンスが好きなら……
前述した『ねじまき鳥クロニクル』同様、こちら『1Q84』も超大作なので、一つのジャンルに絞るのは難しいですが、主に宗教や殺人などがテーマとなっている作品。
ファンタジー作品として挙げた『海辺のカフカ』と『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』ですが、サスペンス要素も強めです。
ホラーが好きなら……
短編絵本『ふしぎな図書館』は、絵本という体裁や日本語版のイラストに反し、なかなか気味が悪いです。
短編集『めくらやなぎと眠る女』にはいろいろな物語が収録されていますが、その中のひとつ「鏡」が怖い体験談を語る集いをベースにした生粋のホラー小説。『アフターダーク』にはちょっとホラー的な雰囲気が漂っています。
暗いストーリーが好きなら……
やっぱり『ノルウェイの森』は外せないですね。
前述した「鼠三部作」のラスト『羊をめぐる冒険』 と、短編絵本『ふしぎな図書館』も、最後の文章を読み終えたあとに絶望感が残ります。
そもそも村上春樹の作品には陰鬱さが漂っています。とはいえ「暗くなりきらない」のが素晴らしいところ。
明るいストーリーが好きなら……
手放しに「むちゃくちゃハッピー!」みたいな作品はありませんが、一筋の光が射すような小説ををピックしました。
『ダンス・ダンス・ダンス』は、『風の歌を聴け』『1973年のピンボール 』『羊をめぐる冒険』という「鼠三部作」のその後を描いた作品。順番に読んでもらいたい四作品です。
『神の子どもたちはみな踊る』と『象の消滅』は短編集。中には暗い物語もありますが、中編・長編小説にはあまりない、柔らかな雰囲気の作品も収められています。
中編・長編作品のあらすじ&概要
作品は日本での出版順に並んでいます。
風の歌を聴け/1973年のピンボール
「あらゆるものは通り過ぎる。誰にもそれを捉えることはできない。僕たちはそんな風に生きている」1970年8月、帰省した海辺の街。大学生の〈僕〉は、行きつけのバーで地元の友人〈鼠〉と語り明かし、女の子と知り合い、そして夏の終わりを迎える。過ぎ去りつつある青春の残照を鋭敏にとらえ群像新人賞を受賞した、村上春樹のデビュー作にして「初期三部作」第一作。
風の歌を聴け
さようなら、3フリッパーのスペースシップ。さようなら、ジェイズ・バー。双子の姉妹との“僕”の日々。女の温もりに沈む“鼠”の渇き。やがて来る一つの季節の終り―デビュー作『風の歌を聴け』で爽やかに80年代の文学を拓いた旗手が、ほろ苦い青春を描く三部作のうち、大いなる予感に満ちた第二弾。
1973年のピンボール
- ネイティブの平均:4時間32分
- 日本人大学生の平均:11時間20分
- 68,005語
羊をめぐる冒険
「羊のことよ」と彼女は言った。「たくさんの羊と一頭の羊」「羊?」「そして冒険が始まるの」 故郷の街から姿を消した〈鼠〉から〈僕〉宛に、ある日突然手紙が届く。同封されていた一枚の写真が、冒険の始まりだった。『1973年のピンボール』から5年後、20代の最後に〈僕〉と〈鼠〉がたどり着いた場所は――。野間文芸新人賞受賞の「初期三部作」第三作。
羊をめぐる冒険
- ネイティブの平均:5時間35分
- 日本人大学生の平均:13時間57分
- 83,665語
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド
高い壁に囲まれ、外界との接触がまるでない街で、そこに住む一角獣たちの頭骨から夢を読んで暮らす〈僕〉の物語、〔世界の終り〕。老科学者により意識の核に或る思考回路を組み込まれた〈私〉が、その回路に隠された秘密を巡って活躍する〔ハードボイルド・ワンダーランド〕。静寂な幻想世界と波瀾万丈の冒険活劇の二つの物語が同時進行して織りなす、村上春樹の不思議の国。
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド
- ネイティブの平均:8時間21分
- 日本人大学生の平均:20時間51分
- 125,135語
ノルウェイの森
十八年という歳月が流れ去ってしまった今でも、僕はあの草原の風景をはっきりと思い出すことができる――。1969年、大学生の僕、死んだ友人の彼女だった直子、そして同じ学部の緑、それぞれの欠落と悲しみ――37歳になった僕は、機内に流れるビートルズのメロディーに18年前のあの日々を思い出し、激しく心をかき乱されていた。
ノルウェイの森
- ネイティブの平均:7時間50分
- 日本人大学生の平均:19時間35分
- 117,450語
ダンス・ダンス・ダンス
『羊をめぐる冒険』から4年、激しく雪の降りしきる札幌の町から「僕」の新しい冒険が始まる。羊男、美少女、そしていくつかの殺人――。渋谷の雑踏からホノルルのダウンタウンまで、「僕」は奇妙で複雑なダンス・ステップを踏みながら、暗く危険な運命の迷路をすり抜けていく。70年代の魂の遍歴を辿った著者が80年代を舞台に、新たな価値を求めて闇と光の交錯を鮮やかに描きあげた話題作。
ダンス・ダンス・ダンス
- ネイティブの平均:7時間17分
- 日本人大学生の平均:18時間12分
- 109,185語
国境の南、太陽の西
あの日なら、僕はすべてを捨ててしまうことができた。仕事も家庭も金も、何もかもをあっさりと捨ててしまえた。――ジャズを流す上品なバーを経営し、妻と二人の娘に囲まれ幸せな生活を送っていた僕の前に、十二歳の頃ひそやかに心を通い合わせた同級生の女性が現れた。会うごとに僕は、謎めいた彼女に強く惹かれていって――。日常に潜む不安と欠落、喪失そして再生を描く、心震える長編小説。
国境の南、太陽の西
- ネイティブの平均:3時間48分
- 日本人大学生の平均:9時間30分
- 56,985語
ねじまき鳥クロニクル
「人が死ぬのって、素敵よね」彼女は僕のすぐ耳もとでしゃべっていたので、その言葉はあたたかい湿った息と一緒に僕の体内にそっともぐりこんできた。「どうして?」と僕は訊いた。娘はまるで封をするように僕の唇の上に指を一本置いた。「質問はしないで」と彼女は言った。「それから目も開けないでね。わかった?」僕は彼女の声と同じくらい小さくうなずいた。(本文より)
ねじまき鳥クロニクル
- ネイティブの平均:15時間11分
- 日本人大学生の平均:37時間58分
- 227,795語
スプートニクの恋人
「すみれがぼくにとってどれほど大事な、かけがえのない存在であったかということが、あらためて理解できた。すみれは彼女にしかできないやりかたで、ぼくをこの世につなぎ止めていたのだ」 「旅の連れ」という皮肉な名を持つ孤独な人工衛星のように、誰もが皆それぞれの軌道を描き続ける。 この広大な世界で、かわす言葉も結ぶ約束もなくすれ違い、別れ、そしてまたふとめぐりあうスプートニクの末裔たちの物語。
スプートニクの恋人
- ネイティブの平均:4時間7分
- 日本人大学生の平均:10時間18分
- 61,770語
海辺のカフカ
「君はこれから世界でいちばんタフな15歳の少年になる」――15歳の誕生日がやってきたとき、僕は家を出て遠くの知らない街に行き、小さな図書館の片隅で暮らすようになった。家を出るときに父の書斎から持ちだしたのは、現金だけじゃない。古いライター、折り畳み式のナイフ、ポケット・ライト、濃いスカイブルーのレヴォのサングラス。小さいころの姉と僕が二人並んでうつった写真……。
海辺のカフカ
- ネイティブの平均:11時間6分
- 日本人大学生の平均:27時間45分
- 166,460語
アフターダーク
時計の針が深夜零時を指すほんの少し前、都会にあるファミレスで熱心に本を読んでいる女性がいた。フード付きパーカにブルージーンズという姿の彼女のもとに、ひとりの男性が近づいて声をかける。そして、同じ時刻、ある視線が、もう一人の若い女性をとらえる―。新しい小説世界に向かう、村上春樹の長編。
アフターダーク
- ネイティブの平均:3時間20分
- 日本人大学生の平均:8時間19分
- 49,880語
1Q84
1Q84年―私はこの新しい世界をそのように呼ぶことにしよう。青豆はそう決めた。Qはquestion markのQだ。疑問を背負ったもの。彼女は歩きながら一人で肯いた。好もうが好むまいが、私は今この「1Q84年」に身を置いている。私の知っていた1984年はもうどこにも存在しない。…ヤナーチェックの『シンフォニエッタ』に導かれて、主人公・青豆と天吾の不思議な物語がはじまる。
1Q84
- ネイティブの平均:27時間7分
- 日本人大学生の平均:67時間47分
- 406,725語
色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年
多崎つくる、鉄道の駅をつくるのが仕事。名古屋での高校時代、四人の男女の親友と完璧な調和を成す関係を結んでいたが、大学時代のある日突然、四人から絶縁を申し渡された。
色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年
何の理由も告げられずに――。
死の淵を一時さ迷い、漂うように生きてきたつくるは、新しい年上の恋人・沙羅に促され、あの時なにが起きたのか探り始めるのだった。全米第一位にも輝いたベストセラー!
- ネイティブの平均:5時間53分
- 日本人大学生の平均:14時間43分
- 88,305語
騎士団長殺し
私は時間を味方につけなくてはならない―妻と別離して彷徨い、海をのぞむ小田原の小暗い森の山荘で、深い孤独の中に暮らす三十六歳の肖像画家。やがて屋根裏のみみずくと夜中に鳴る鈴に導かれ、謎めいた出来事が次々と起こり始める。緑濃い谷の向こう側からあらわれる不思議な白髪の隣人、雑木林の祠と石室、古いレコード、そして「騎士団長」…。物語が豊かに連環する村上文学の結晶!
騎士団長殺し
- ネイティブの平均:16時間30分
- 日本人大学生の平均:41時間15分
- 247,515語
短編作品のあらすじ&概要
作品は日本での出版順に並んでいます。
神の子どもたちはみな踊る
1995年1月、地震はすべてを一瞬のうちに壊滅させた。そして2月、流木が燃える冬の海岸で、あるいは、小箱を携えた男が向かった釧路で、かえるくんが地底でみみずくんと闘う東京で、世界はしずかに共振をはじめる…。大地は裂けた。神は、いないのかもしれない。でも、おそらく、あの震災のずっと前から、ぼくたちは内なる廃墟を抱えていた―。深い闇の中に光を放つ6つの黙示録。
神の子どもたちはみな踊る
- ネイティブの平均:2時間31分
- 日本人大学生の平均:6時間17分
- 37,700語
ふしぎな図書館
図書館で「オスマントルコ帝国の税金のあつめ方について知りたいんです」とたずねたぼくに、老人の目がきらりと光った。案内された地下の閲覧室。階段をおりた奥から、羊男が現れて…。はたしてぼくは、図書館から脱出できるのか?村上春樹と佐々木マキが贈る、魅力溢れる大人のためのファンタジー。
ふしぎな図書館
- ネイティブの平均:36分
- 日本人大学生の平均:1時間30分
- 8,990語
こちらの詳しいレビューは下記リンクにて。
象の消滅
1993年Knopf 社で編集、出版された短篇選集『The Elephant Vanishes』は英語圏で好評を博し、ロング・セラーとなっている。その日本語版がついに刊行! 英語版から著者みずから翻訳を試みた、新バージョンの「レーダーホーゼン」など初期短篇17作品。更にNew Yorkerデビュー当時を振り返る書下ろしエッセイも収録した話題作。
象の消滅
- ネイティブの平均:6時間6分
- 日本人大学生の平均:15時間15分
- 91,495 語
めくらやなぎと眠る女
本邦初登場の「蟹」は、名作「野球場」に登場した作中小説を、実際の作品として書き上げた衝撃の掌篇!
めくらやなぎと眠る女
ニューヨークで編集された英語版と同じ構成の自選短篇集。
- ネイティブの平均:7時間20分
- 日本人大学生の平均:18時間21分
- 110,055語
女のいない男たち
〈これらを書いている間、僕はビートルズ「サージェント・ペパーズ」やビーチ・ボーイズの「ペット・サウンズ」のことを緩く念頭に置いていた。
女のいない男たち
と、著者が「まえがき」で記すように、これは緊密に組み立てられ、それぞれの作品同士が響きあう短編小説集である。「ドライブ・マイ・カー」「イエスタデイ」「独立器官」「シェエラザード」「木野」「女のいない男たち」の6編はそれぞれくっきりとしたストーリー・ラインを持ちながら、その筆致は人間存在の微細な機微に触れる。
現代最高の作家がいまできること、したいこと、するべきことを完璧な形で成し遂げた作品集と言えるだろう。
「ドライブ・マイ・カー」「イエスタデイ」「独立器官」「シェエラザード」「木野」他全6篇。最高度に結晶化しためくるめく短篇集。
- ネイティブの平均:4時間24分
- 日本人大学生の平均:11時間1分
- 66,120語
いかがでしたでしょうか。ぜひこの記事を参考に、村上春樹の作品を英語で読んでみてください。