- 米津玄師の世界での評判が気になる
- 「Lemon」のレビューが読みたい
- J-POP/J-ROCKの海外人気度を知りたい
こんな方を対象にした記事です。
米津玄師「Lemon」海外の反応は? 外国人に聴かせてみた
ここ日本には素晴らしい音楽がたくさんありますが、実際のところ海外ではほとんど聴かれていないのが現状です。
そこでこのブログでは、海外の反応を調査すべく「邦楽を聴かせてみた」シリーズを勝手に始動。完全なる個人の趣味で、さまざまなJ-POPおよびJ-ROCKについての感想や意見を調べていきます。
今回、DMM英会話からランダムに選んだ5か国の人に、米津玄師「Lemon」を聴いてもらいました。
ミュージシャン&楽曲情報
平成から令和を席巻している時代の寵児、米津玄師。いまでは彼の名を知らない人はいないでしょう。もともとはハチ名義でボカロ曲を制作、ニコニコ動画などでその名を轟かせていましたが、いまではすっかり国民的大スターとなりましたね。
楽曲「Lemon」についてもそれほど説明はいらないでしょう。2018年にリリース、大ヒットドラマ『アンナチュラル』の主題歌として世間に浸透し、米津玄師の名を世間に広めるきっかけとなったナンバーです。その年の『紅白歌合戦』の歌唱でも話題になりましたね。
時代を象徴する名曲として、ビルボードジャパンの年間チャート【Hot 100】では、2年連続の1位を獲得しました。
そんなモンスター曲ですが、果たして外国の方の耳にはどのように響くのでしょうか。
DMM英会話について


今回の調査に利用したのは、110か国以上の多国籍な講師が在籍しているDMM英会話。
いろいろな国のことを知りたい人、世界のニュースについて生の意見を聞きたい人にはぴったりのオンライン英会話スクールです。無料体験では2レッスン受講可能となっています。
各国のリアクション
今回はランダムに選んだ以下5か国の先生たちにご協力いただきました。
- 🇷🇸セルビア
- 🇷🇺ロシア
- 🇰🇪ケニア
- 🇲🇾マレーシア
- 🇵🇰パキスタン


では、それぞれの国の方の感想を見ていきましょう。
セルビア


国名:セルビア共和国
地理:南東ヨーロッパのバルカン半島
首都:ベオグラード
言語:セルビア語(公用語)など
人口:約700万人


セルビアの音楽みたい! これはヒットするのもわかるわ。
話を聞いたのは20代の女性講師。どうやらオリエンタルな感じがセルビアの音楽に近いようです。
彼女が教えてくれたのはネデリコ・バイッチというセルビアの歌手のこの曲。確かに全体の雰囲気は似ていますね。 ギターもボーカルもこちらはかなりエモいですが。
さらにピンク「Just Give Me A Reason」を思い出したとのことでした。これもやっぱり「Lemon」に比べるとめちゃくちゃエモいですが、クラップ入りのリズムや雰囲気は確かに近いですね。
ミュージックビデオはシーアっぽいですね。ダンサーの感じが。でも彼はなんでハイヒールを履いてるの!?
ハイヒールの件はやっぱり気になるんですね(笑)。そしてこのMVには米津玄師自身のダンスはないですが、薄暗い室内で女性が踊っている感じは確かにシーアを彷彿させます。
ちなみに「ALIVE」日本版MVでは土屋太鳳が踊っていますが、この振り付けを手掛けたのがダンサーの辻本知彦。米津玄師が初めてダンスを披露した「LOSER」MVの振り付けも担当した人で、米津玄師の「ダンスの師匠」でもあります。
あと本当に声がめちゃくちゃ素敵。彼自身のカラーがあって、高音もすごいし。声域が広いのか、声の使い方が上手なのかな……。セルビアではいまオートチューン(声のエフェクト)を使った曲が流行ってるんですよ。誰でもシンガーになれちゃうから私は嫌いなんですけど、彼は自分の声で歌ってるからすごくいい。
個人的に米津玄師の魅力のひとつは、かなり独特で美しいその声だと思っていますが、外国人が聴いても同じように感じるんですね。これはあまり想像していなかった反応だったかな。
うん。本当にいい曲。傷ついた人の心に寄り添う感じというか。でも正直、セルビアではあまり流行らないかもしれないですね。男性が好む感じじゃないし、そもそもスローテンポの曲は人気がなくて。
このバラードが流行りづらいという曲調に対する意見は思った通り。
胸の痛みを歌っているところもダメ。深い意味がある歌詞は悲しくなるからみんな避けるんですよ。セルビアにもこういう妥協しないアーティストがいるけど、だからこそ人気じゃないっていうか……。ほら、クラブでかかるような曲じゃないじゃないから。流行るのはスーパーカーとか大金とか、そういうのを歌ってる曲なんですよね。「Lemon」は、チルで、サッドで、ビューティフルな曲だけど、たぶんヒットはしないかな。
彼女はYouTubeの字幕機能で英語歌詞を読んでいたわけですが、まさか歌詞もパリピ系じゃないと流行らないとは……。
いや、でもこれで思い出したんですが、J-POP研究動画でも知られる大学教授のドクター・キャピタルが、前に出演していた『関ジャム』で「邦楽の歌詞は深い。アメリカの曲の歌詞はぺらっぺら」みたいなことを言っていましたね。確かに大ヒット曲となるとその傾向は強いような気がします。
ちなみに彼の「Lemon」解説動画もあったので貼っておきます。日本語です。
ロシア


国名:ロシア連邦
地理:ユーラシア大陸北部
首都:モスクワ
言語:ロシア語(公用語)など
人口:約1億4000万人


悲しいときに聴きたい感じですね。いい曲。でもロシアでは流行らないかも。
話を聞いたのは20代の女性講師。意見をまとめるセルビアの先生とまったく同じでしたね。
彼女があまりに完璧な感想をくれたので割愛しますが、ざっくりまとめるとやはり「いい音楽だけどヒットするような曲ではない」とのことです。
ケニア


国名:ケニア共和国
地理:東アフリカ
首都:ナイロビ
言語:スワヒリ語および英語(公用語)など
人口:約5000万人


なんでハイヒール!? ゲイなの?
話を聞いたのは20代の女性講師。ハイヒールに関してはやはり気になる模様。しかし「ゲイなの?」と聞かれたときはちょっとびっくりしましたね。そう考える人もいるんだなあと。
別に他人がゲイでもゲイじゃなくてもどっちでもいいんですが、このように「ハイヒール(女性的なファッション)=ゲイ」と見なされることがあるんですね。
周りにいる人たちはアルコール依存症とか鬱病患者のグループみたい。わからないですけど、なんかそういう不穏な感じがしますね。曲も悲しいし。でもすごくいい。この人には怖いものがなさそう。死も恐れてない感じ。自由っていうか。うん。すごく自由。声もめちゃくちゃいいし。
「死も恐れていない」「すごく自由」……これは美しい感想且つ素晴らしい洞察力ですね。たった一曲聴いただけでここまで的確に且つシンプルに米津玄師を表現してくれるとは思っていませんでした。彼女がすごいのか、彼女にそう思わせた米津玄師がすごいのか……。
そしてセルビアの先生と同じく声を褒めていましたね。どの国の人にも響くその声は大きな武器ということでしょう。
本当に気に入っちゃった。私、普段はトランスをよく聴くんですけど、この曲も聴いてるとトランス状態になるし、聴いたあとはなんかこう……麻痺する。
彼女は全体的に抽象的で素敵な感想をくれました。好き。
マレーシア


国名:マレーシア
地理:東南アジアのマレー半島南部およびボルネオ島北部
首都:クアラ・ルンプル
言語:マレー語またはマレーシア語(公用語)など
人口:約3000万人


めっちゃいい。日本の音楽ってだいたい同じように聞こえるから、正直あまり期待してなかったんですけど、これはなんか違う。Spotifyのプレイリストに入れとこ。
話を聞いたのは10代の男性講師。楽曲を聴き始めてすぐ食いついてくれました。彼はアニメ好きで、日本の音楽はアニソン含むアニメのテーマソングに使われている曲を主に聴いているとのこと。
最近はさまざまなジャンルの音楽がアニメに使用されていますが、それらと比べても「Lemon」には光るなにかがあったようです。
なんとなく中国の「追光者」っていう曲に似てる気がする。ちょっとだけ。マレーシアでも流行って、2018年はどこに行ってもかかってたやつなんですけど。
中国のシンガーソングライター、サイレンス・ワンの曲。ピアノとストリングスのバラードという点を除き、個人的には特に似てはいないと思いますが、アジアではこういうスローテンポな曲がよく流行るんですね。
ヒットするにはやっぱり日本語の歌詞はちょっとネックかな。でもメロディ自体に問題はまったくないと思います。
中国の曲がマレーシアで流行ったのは、中国の影響を強く受けている国だから。中華系の方も多くいるため、普通に中国語が飛び交っているようです。比べて日本語の言葉の壁が高いのは致し方ないですね。
パキスタン


国名:パキスタン・イスラム共和国
地理:南アジア
首都:イスラマバード
言語:英語(公用語)、ウルドゥー語(国語)など
人口:約2億人


すごく落ち着く。激しくなくて心地いい。サウンド、歌詞、ハーモニー、雰囲気、あと彼のルックスも素敵ですね。日本の曲は聴いたことなかったけど本当にいい。流行ってもおかしくないと思う。
話を聞いたのは20代の女性講師。やはりアジアではゆったりした曲も受け入れられやすいようですね。いただいた感想の内容は普通でしたが、心底気に入ってくれたようでした。
そんな彼女が「邦楽を聴いたことがなかった」と言っていたように、J-POPおよびJ-ROCKがほぼまったく世界に響いていない大きな原因は「知られていないこと」にあるような気がします。
もちろんセルビアの先生が言っていたように曲調の問題マレーシアの先生が言っていたように言語の問題もありますが、邦楽には例えばダンスミュージックもありますしフランス語やスペイン語などの楽曲が異国で流行ることは多々ありますしね。
まとめ:日本人の胸を打った名曲は世界各国の人にも届く
「Lemon」海外の反応
- J-POPっぽくないサウンドがいい。
- 高音がよく出る独特な声もいい。
- ただ暗くて深いバラードはヨーロッパ(少なくとも東欧)では流行らない。
- 「死も恐れていない」「すごく自由」「ほかの邦楽と違う」と思わせるなにかがある。
- ハイヒールはやっぱり気になる。
楽曲自体の評価はとても高かったです。メロディ、声、雰囲気など、あらゆる要素が称賛されました。日本人の胸を打った名曲は世界各国の人にも届くようです。
とはいえ流行は地域や国によって違うので、仮に全員の耳に届いてもヒットは難しい模様。そもそも「Lemon」より「Flamingo」とかの方が海外受けはいいと思っていたので、この点は想像通りの結果になりました。
こういったバラードはやっぱり歌詞がわかるとより響きますね。このディスアドバンテージがありながらの高評価と考えると、本当にいい楽曲なんだなと思いました。
英語の勉強だけでなく、今回のように世界各国の人々に話を聞くことができるのは、110か国以上の多国籍な講師が所属するDMM英会話の大きな魅力。
無料体験は2レッスン受講可能ですので、ご興味があればぜひ受講してみてください。
貴重な生の声を聞かせてくれた先生には心より感謝します。