- 米津玄師の楽曲に対する世界各国の人の感想を知りたい
- 「馬と鹿」のレビューが読みたい
- J-POP/J-ROCKの海外人気度が気になる
こんな方を対象にした記事です。
米津玄師「馬と鹿」海外の反応は? 外国人に聴かせてみた
ここ日本には素晴らしい音楽がたくさんありますが、実際のところ海外ではほとんど聴かれていないのが現状です。
そこでこのブログでは、海外の反応を調査すべく「邦楽を聴かせてみた」シリーズを勝手に始動。完全なる個人の趣味で、さまざまなJ-POPおよびJ-ROCKについての感想や意見を調べていきます。
今回、DMM英会話でランダムに選んだ5か国の人に、米津玄師「馬と鹿」を聴いてもらいました。
ミュージシャン&楽曲情報
平成から令和を席巻している時代の寵児、米津玄師。いまでは彼の名を知らない人はいないでしょう。もともとはハチ名義でボカロ曲を制作、ニコニコ動画などでその名を轟かせていましたが、いまではすっかり国民的大スターとなりましたね。
楽曲「馬と鹿」は、2019年8月12日に配信リリース、同年9月11日にフィジカルリリースされたシングル。ラグビーをテーマとしたドラマ『ノーサイド・ゲーム』の主題歌として制作されました。
重厚感のあるビート、不協和音のストリングスなど、全体的にダークな雰囲気の漂うバラード調のナンバーです。
とはいえひたすら暗いわけではなく、楽曲のアクセントとなっている軽快なギターリフはどこかメルヘンチックで、開放感あふれる壮大なアレンジは生の力強さを感じさせます。スポーツを題材とした作品にこの楽曲を贈る米津玄師のセンスよ。
果たして外国の方の耳にはどのように響くのでしょうか。
DMM英会話について


今回の調査に利用したのは、110か国以上の多国籍な講師が在籍しているDMM英会話。
いろいろな国のことを知りたい人、世界のニュースについて生の意見を聞きたい人にはぴったりのオンライン英会話スクールです。無料体験では2レッスン受講可能となっています。
各国のリアクション
今回はランダムに選んだ以下5か国の先生たちにご協力いただきました。
- 🇲🇽メキシコ
- 🇵🇭フィリピン
- 🇨🇿チェコ
- 🇦🇲アルメニア
- 🇳🇬ナイジェリア


メキシコ


国名:メキシコ合衆国
地理:北アメリカ南部
首都:メキシコシティ
言語:スペイン語(事実上の公用語)など
人口:約1.3億人


すごくエモい。出だしのポップでキャッチーな感じから、どんどんメランコリックになっていく感じがいいですね。少しずつなにか……悲しみとかそういうのを集めて爆発させてるというか。
話を聞いたのは20代講師の先生。彼女が何度か口にして印象に残っているのが「エモーショナル」という言葉ですね。
悲哀と焦燥のコンビネーションは面白いと思います。ところでこれはJ-POPなの? うーん……ポップなのかな、これ。
なるほど「J-POP」の「ポップ」という部分が引っかかるとは。いや、考えてみれば、私が英語で「馬と鹿」を説明するとしても「pop music」とは形容しないですね。
というわけで辞書を引いてみました。
modern music that is popular, especially with young people, and usually consists of simple tunes with a strong beat
Longman「pop music」
人気の現代音楽。特に若者に流行る楽曲で、シンプルな旋律と強いビートで構成されている。
完全にズレているわけではないですが、まあちょっと違和感はあります。もちろん「J-POP」は「J-POP」なので、もはやこれとは関係ないわけですが。ここが気になるのは外国人ならではの視点だと思いました。
ただ「ハッピー! パーティー!」みたいなラテン音楽と比べたらめちゃくちゃ暗い。ぜんぜん違うからメキシコで人気が出るかはちょっと謎ですね。イタリアのバラードが流行ったこともあったけど。
過去に調査した「Lemon」でも似たような意見が。日本でももちろん明るい方が大衆受けはしますが、海外と比べたら暗い作品も流行る傾向にあると思います。
言葉の壁は「壁」じゃないと思う。K-POPの影響は南米も受けてるし、そういう意味でK-POPはいろいろな音楽への扉を開けたのかも。だから受け入れられる可能性はありますね。
バラードは歌詞が重要なファクターとなる場合が多いですが、この「馬と鹿」は歌メロや歌詞に頼らずとも人に訴えかけ得るだけのサウンドが確立されているので、言葉がわからないというデメリットはあまりなさそう。
フィリピン


国名:フィリピン共和国
地理:東南アジア
首都:マニラ
言語:フィリピン語および英語(公用語)など
人口:約1億人


サウンドを超えるくらい声がパワフル。はっきり歌ってるっていうか。
話を聞いたのは20代の女性講師。日本語をかじっているとのことで、歌詞も少しだけ聞き取れたみたいです。
日本人男性によくあるこの長い前髪でね、顔はよく見えないけど、左目はめちゃくちゃエモい。ちょっとしたジェスチャーも素敵ですね。
彼女も「エモーショナル」と連呼していました。わかる。静かに燃える炎的なね。ラストとかやばいよね。動きに関してはダンスが上手いことを伝えたら納得していました。
ただちょっと暗いかな。最初の方はいいけど途中から。もうちょっと明るい方がフィリピンではウケますね。
フィリピン人は基本的にめちゃくちゃ明るいです。英会話をしている上ではたびたび、彼女たちの底抜けの明るさに救われます。
チェコ


国名:チェコ共和国
地理:中央ヨーロッパ
首都:プラハ
言語:チェコ語(公用語)など
人口:約1000万人


ロマンティックでドリーミーなサウンド。うん。私は好き。
話を聞いたのは20代の女性講師。邦楽はほとんど聴いたことがないとのことでしたが、出だしから反応はよかったです。
男版ビリー・アイリッシュ的な。メロディはぜんぜん違うと思うけど、MVと雰囲気と彼の見た目の感じが似てる気がします。歌詞も比喩的なんですよね? ビリーもそういう歌詞を書くし。
現に米津玄師とビリー・アイリッシュの虜になっている人はいますからね。
……はい。私です。つまりそういうことでしょう。ビジュアル面でも「馬と鹿」の米津玄師は青銀?のようなヘアカラーですし、彷彿とさせるものは確かにあります。
だからメインストリームっぽくはない。オルタナティブというか、インディー系というか。大衆向けにつくりながら、そこに芸術性と深い意味をもたせるのはすごく難しいと思う。だから本当にクリエイティブでクールですよね。
いや本当、それなんですよ。米津玄師の美しさは……。遠く離れた地にて、それも一瞬でこの点を読み取ってくれた彼女の感性にも拍手です。
アルメニア


国名:アルメニア共和国
地理:南コーカサス
首都:エレバン
言語:アルメニア語(公用語)など
人口:約300万人


悪くないけど、ちょっと長い。日本の楽曲って4分以上あるのが普通なんですかね?
話を聞いたのは20代の男性講師。この先生にはKing Gnu「飛行艇」も聴いてもらっていたのでした。
その「飛行艇」もあまりハマらなかった彼。さて「馬と鹿」は……?
暗いかな。個人的には音楽はもっと明るくあってほしい。憂鬱なのは現実でいっぱいですよ。ただこのビートは好きですね。
1991年にソビエト連邦から独立したアルメニア。少なくとも日本よりは政治・経済情勢の不安定な国です。返す言葉はありません……。
ただ「馬と鹿」というか、米津玄師の闇に潜む光に気づいてもらえると、また違った感想になるかもしれないですね。そうなってくると歌詞もじっくり読んでもらった方がよさそうですが。
ナイジェリア


国名:ナイジェリア連邦共和国
地理:西アフリカ
首都:アブジャ
言語:英語(公用語)など
人口:1.9億人


ちょっと暗いですね。アフリカの人たちはもっとBPMが速いパーティソングばっかり聴くから……。
話を聞いたのは20代の女性講師。音楽制作ソフトで自分の楽曲もつくっていたことがあるという先生でした。
でもビートとか雰囲気とかちょっとケンドリック・ラマーっぽいかし、もしかしたら受け入れられるかも。個人的には大好きですよ。
スピリットはともかく、米津玄師はかなりヒップホップ的なビート感覚を持っていますからね。納得です。
MVはもう完璧。映画みたい。これも万人受けするかはわからないですけどね。みんながみんな抽象的な映像を理解しようとするわけじゃないから。
英語を勉強していると、頻繁に「日本人は自分の頭で考えようとしない」というような意見を目にします。実際、政治や時事問題に関して言えば――すごくざっと一括りにしちゃいますが――外国人の方がはっきりとした意見を持っていることは間違いありません。
ただ芸術に関しては、10代の若者含め、多くの人が深く考察する傾向にありますよね。私が知る限りだと特に音楽はそう。決して「考える能力がない」わけではないはず。
まあなんだかんだありますが、米津玄師がここまで流行るような国、私はそんなに悪くないと思うのでした。
まとめ:エモくて暗くて芸術的
「馬と鹿」海外の反応
- サウンドも長い前髪の隙間から見える左目もエモい
- ビートがよくて途中からは暗さが目立つ
- 男版ビリー・アイリッシュ的な感じ
- 大衆作品に芸術性をもたせられるくらいクリエイティブ
- 万人受けするかは謎
個人的には米津玄師の中でも好きな一曲ですが、やはりどうしても全体的に暗いので、ここまで受け入れられるとは少し意外でしたね。やっぱりビートは大きなポイントになっている気はします。
そして冒頭に書いた通り、その暗さに眠るかすかな希望も伝わるものですね。よく「音楽に国境はない」などと言いますが、あながち間違いでもないかも。ちょっと感動しました。
上に挙げたこと以外で印象的だったのは、過去の「Lemon」や「Flamingo」の調査に続き、ボーカルについて言及されたことでしょうか。誰が聞いても心のどこかに引っ掛かる独特な声をしていることは確かです。
英語の勉強だけでなく、今回のように世界各国の人々に話を聞くことができるのは、110か国以上の多国籍な講師が所属するDMM英会話の大きな魅力。
無料体験は2レッスン受講可能ですので、ご興味があればぜひ受講してみてください。
貴重な生の声を聞かせてくれた先生には心より感謝します。