- トルコ国内のインターネット事情ってどんな感じ?
- ウィキペディアやYouTubeへのアクセスが制限されてたって本当?
- 政治的・経済的には安定してるの?
こんな疑問を解決する記事です。
トルコのインターネット規制は厳しい? 検閲やデモなどについて聞いた
🇹🇷トルコ国内からのウィキペディア(Wikipedia)へのアクセスが、2020年1月15日に約3年ぶりの解禁となりました。
その一方、シリア政府軍によるイドリブ県への空爆後には、YouTube、Twitter、Instagramなどの主要ウェブサイトが閲覧不可の状態になるなど、厳しい規制自体は続いています。
というわけで、トルコのインターネット事情について、トルコ人に話を聞いてみました。
Contents
DMM英会話について

今回の調査に利用したのは、110か国以上の多国籍な講師が在籍しているDMM英会話。
いろいろな国のことを知りたい人、世界のニュースについて生の意見を聞きたい人にはぴったりのオンライン英会話スクールです。無料体験では2レッスン受講可能となっています。
デイリーニュース(Daily News)

教材もたくさん揃っていますが、私が普段から愛用していて、この記事を書くにあたっても使用したのが「Daily News」。
[sanko href="https://eikaiwa.dmm.com/app/daily-news" title="DMM英会話 デイリーニュース" site="DMM英会話" target="blank"]こちらは世界中のニュース記事をちょうどいい長さに改編し、ボキャブラリーやディスカッションパートを追加したもので、基本的には毎日3記事更新されます。DMM英会話の豊富な教材の中でも一番人気です。
基本的な進め方としては、記事内に出てくる難易度の高い英単語の意味&例文を確認、英文記事を音読、記事の内容に関するクエスチョンパートがあればそれをやり、その後はディスカッションになります。
それぞれの記事はレベル5~10にレベル分けされており、ソートも出来るので、自分の実力に合わせて選ぶことが可能。教材についての詳細は下記リンクをご参照ください。
トルコ人講師とレッスン

国名:トルコ共和国
地理:西アジア
首都:アンカラ
言語:トルコ語(公用語)など
人口:約8,000万人

今回はDMM英会話のデイリーニュースより「Turkey Ends Ban on Wikipedia」を使用しました。
[sanko href="https://eikaiwa.dmm.com/app/daily-news/article/turkey-ends-ban-on-wikipedia/qLdJtDhpEeqjtfNrY6sONw" title="Turkey Ends Ban on Wikipedia" site="DMM英会話 デイリーニュース" target="blank"]Wikipedia(ウィキペディア)遮断と復活

本当に嬉しい! もちろん、みんなVPNなんかで閲覧制限のかかってるウェブサイトも見てはいるんですけど、自由になった感じがします。
話を聞いたのは20代の女性講師。少しきわどい質問にも快く笑顔で答えてくれました。
2017年、トルコ政府は国内からウィキペディアへのアクセスを完全ブロックしました。理由は英語版ウィキペディアのページに「トルコはISISとアルカイダのスポンサー国である」などという記載があったため。
ところが2020年、トルコの憲法裁判所がこのアクセス禁止措置を違憲と判断したことにより、約3年ぶりの復活を果たすことになりました。

ちなみにVPN(virtual private networks)とは、インターネット規制の回避によく使われるネットワーク技術。中国などでも使われていますが、2019年12月に実験成功が発表されたロシアの閉鎖的なインターネットシステムでは、このVPNも無効になるようです。詳しくは下記リンクにて。
YouTube(ユーチューブ)などの閲覧制限


トルコではいろいろなウェブサイトに閲覧制限がかかるんですけど、インターネットの規制について、最初はみんなそれほど真剣に捉えていなかったんです。
トルコのインターネット検閲はかなり厳しく、2008年から2010年にかけての2年間は、YouTubeも完全にシャットアウトされていました。
その理由は、建国の父である初代大統領ムスタファ・ケマル・アタテュルクを侮辱する動画がアップされていたから。トルコには「アタテュルク擁護法」なるものが存在するんですね。


レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領(2008年当時の首相)が賢くて。エルドアンはアタテュルクが嫌いで、アタテュルクのサポーターはエルドアンが嫌いなんです。だからエルドアンがアタテュルク侮辱を理由にYouTubeを禁止したときはみんな混乱して、どうしていいのかわからなかったっていう面もあります。
エルドアンは2014年8月から大統領になりましたが、インターネット規制にはかなり積極的な姿勢をとっています。
2020年2月末、シリア内戦により混乱が続いているイドリブ県をシリア政府軍が爆撃したあともそうですが、特にテロ後などはよく閲覧制限がかかるようですね。
どんどん厳しくなってる気がします。本当はYouTube規制のときに声を上げるべきだったんですよ。
Twitter(ツイッター)と「ゲジ公園抗議デモ」


SNSの中ではツイッターがポピュラーかな。2013年のトルコ反政府運動のときにたくさんの人が使い始めたんです。テレビとかラジオがフェイクニュースばかり流す中、ツイッターは信用できたから。
このトルコ反政府運動「ゲジ・プロテスト(ゲジ公園抗議デモ)」と呼ばれているもの。もともとはゲジ公園を含むタクスィム広場の緑地再開発計画への抗議として始まった小規模な運動でしたが、エルドアン政権への大規模な抗議デモへと発展しました。


そのときテレビ局「CNNトルコ」はペンギンのドキュメンタリーを流してたんです。……ふふ。だからペンギンがデモの象徴になったんですよ。
On a tree in Gezi. CNN Turkey aired penguin documentaries during 1st clashes & penguins became symbol of #occupygezi pic.twitter.com/XP145Y4M4m
— zeynep tufekci (@zeynep) June 13, 2013
日本語ではほぼ情報がありませんが、英語で「Gezi penguins」などと検索するといろいろ出てきます。The Atlanticの記事によると、有名俳優がペンギンTシャツを着てインタビューに答えたり、ネット上にはペンギンとデモの写真のコラ画像(ミーム)なんかもあふれたそう。
[sanko href="https://www.theatlantic.com/international/archive/2013/06/turkish-game-show-censorship-gezi/314533/" title="How a Turkish Game Show Undermined Censorship of the Gezi Protests" site="The Atlantic" target="blank"]警察が銃を持つ代わりに、ペンギンは非暴力主義のシンボルとして花を持ってるんです。とはいえトルコ警察はいつも銃を使うわけじゃなくて、放水(ウォーターキャノン)とか催涙弾とかが多いから、ほかの国の警察や軍に比べたらマシな方だとは思うんですけどね。


でも催涙弾が頭に当たって死んじゃった子とかもいて。すごい勢いで金属の塊が飛んでくるから危ないの。ヘルメットをかぶるのは大事ですね。
あまり気にしたことなかったですが、催涙弾の直撃による怪我や死は決して珍しいことではないようです。ちなみにゲジ公園抗議デモは2か月ほどで終息しましたが、8,000人以上が負傷、20人以上の死者が出ました。
私たちにとってデモ活動は生活の一部。でもインターネット規制くらいではもう動かないですね。普通のことになっちゃってるし、基本的人権とかもっと大事なことがあるから。
まとめ


独自の文化や美しい景色で知られるトルコですが、隣接するシリアとの関係性、エルドアン大統領の独裁色が強い支配体制などもあり、政治的・経済的な問題は山積み。インターネット規制もその問題に付随したものです。
シリア内戦を巡っては、ロシアとの関係にもひびが入り始めたともあり、今度どのような方向に向かうのか注目したいところ。平和的解決が訪れることを祈っています。
英語の勉強だけでなく、今回のように世界各国の人々に話を聞くことができるのは、110か国以上の多国籍な講師が所属するDMM英会話の大きな魅力。
無料体験は2レッスン受講可能ですので、ご興味があればぜひ受講してみてください。
貴重な生の声を聞かせてくれた先生には心より感謝します。